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長崎地方裁判所佐世保支部 昭和51年(わ)93号 判決

本店所在地

長崎県北松浦郡佐々町小浦免一〇八四番地一

法人の名称

親和興産株式会社

代表者の住居

長崎県佐世保市須佐町一七番一五号

代表者の氏名

杉谷満司

本籍

福岡県筑紫野市大字塔原五八〇番地の一

住居

長崎県佐世保市天神町八五六番地

会社役員

渕上猛

大正三年一二月四日生

右両名に対する法人税法違反各被告事件につき当裁判所は検察官堂ノ本真出席のうえ審理して次のとおり判決する。

主文

被告人親和興産株式会社を罰金一五〇万円に、被告人渕上猛を懲役四月に処する。

被告人渕上猛に対し、この裁判確定の日から二年間、右刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告親和興産株式会社は、長崎県北松浦郡佐々町小浦免一、〇八四番地に本社を置き、土木、試錐工事請負業等を目的とする資本金一、五〇〇万円の株式会社で、被告人渕上猛は、右会社の代表取締役として同会社の業務全般を統轄していたものであるが、被告人渕上は、右会社の業務に関し法人税を免れようと企て、昭和四八年四月一日から昭和四九年三月三一日までの事業年度における被告会社の所得金額は、三、二五五万〇、八六一円であり、これに対する法人税額は、一、一三一万八、八〇〇円であったにもかかわらず、架空の原価を計上して公表帳簿上の金額を過少に計上するなどの不正な方法により簿外預金を秘匿したうえ、昭和四九年五月二八日、同県平戸市岩の上町所在の平戸税務署において、同税務署長に対し、所得金額は一、二一一万九、八五四円であり、これに対する法人税額は三八二万一、五〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって右会社の右事業年度の正当な法人税額一、一三一万八、八〇〇円との差額七四九万七、三〇〇円を免れたものである。

(証拠の標目)

一  大蔵事務官作成の脱税額計算書及び脱税額計算書説明資料

一  登記官作成の登記簿謄本

一  国税査察官作成の調査報告書五通

一  清水幸雄、杉谷満司(四通)、松本等(五通)、高山幸生(二通)、橋口徳、矢頭富子及び内山貞子の大蔵事務官に対する各質問てん末書

一  領置した元帳一冊(昭和五一年押第三一号の一)、元帳一冊(同号の二)、補助簿一冊(同号の三)、補助簿一冊(同号の四)、補助簿一冊(同号の五)、補助簿一冊(同号の六)、補助簿一冊(同号の七)、買掛帳一冊(同号の八)、買掛帳一冊(同号の九)、金銭出納帳一冊(同号の一〇)、伝票綴一綴(同号の一一)、伝票綴一綴(同号の一二)、伝票綴一綴(同号の一三)、伝票綴一綴(同号の一四)、伝票綴一綴(同号の一五)、伝票綴一綴(同号の一六)、伝票綴一綴(同号の一七)、伝票綴一綴(同号の一八)、伝票綴一綴(同号の一九)、伝票綴一綴(同号の二〇)、伝票綴一綴(同号の二一)、伝票綴一綴(同号の二二)、伝票綴一綴(同号の二三)、領収証請求書綴一綴(同号の二四)、領収証請求書綴一綴(同号の二五)、領収証請求書綴一綴(同号の二六)、領収証請求書綴一綴(同号の二七)、領収証請求書綴一綴(同号の二八)、領収証請求書綴一綴(同号の二九)、領収証請求書綴一綴(同号の三〇)、領収証請求書綴一綴(同号の三一)、領収証請求書綴一綴(同号の三二)、領収証請求書綴一綴(同号の三三)及び法人税確定申告書一綴(同号の三四)

一  杉谷満司作成の上申書四通(証三号、四号、六六号、六八号)

一  被告人渕上猛作成の上申書八通(証六四号、六五号、六七号、六九号ないし七三号)

一  被告人渕上猛の大蔵事務官に対する質問てん末書二通及び検察官に対する供述調書

一  被告人渕上猛の当公判廷における供述

(法令の適用)

一  罰条

被告人親和興産株式会社につき法人税法一六四条一項、一五九条

被告人渕上猛につき同法一五九条

二  被告人渕上猛の執行猶予につき

刑法二五条一項

(裁判官 宮良允通)

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